
不動産を高く売る方法と手間なく売る方法|資産整理で知っておきたい売却の選び方
不動産を高く売る方法と手間なく売る方法|資産整理で知っておきたい売却の選び方
この記事の概要
不要になった不動産を処分する方法には、大きく分けて「時間と手間をかけても高く売る方法」と、「多少価格が下がっても短期間・少ない手間で売る方法」があります。
どちらが適しているかは、売却を急いでいるのか、少しでも高く売りたいのか、相続や財産整理などの事情があるのかによって異なります。
この記事では、一般売却と買取それぞれの特徴やメリット・デメリット、大きな敷地や複数名義の不動産を売却するときの注意点について解説します。
時間と手間をかけても高く売却したい場合
少しでも高く売却したい場合は、一般の購入希望者を対象に販売活動を行う「一般売却」が基本となります。
一般売却では、不動産会社が広告を行い、購入希望者を探します。 条件の良い物件であれば、周辺の類似物件より高い価格で売れる可能性もあります。
特に、供給が少ないエリアや人気の高いマンション、間取りや立地に希少性がある物件は、相場より高い価格でも購入希望者が見つかる場合があります。
高く売るためには広告が重要
不動産を高く売却するうえで、広告は非常に重要です。 どれだけ条件の良い物件でも、購入希望者に存在を知ってもらえなければ売却にはつながりません。
広告では、物件そのものの情報だけでなく、周辺環境や生活利便性まで伝えることが大切です。
- 建物や室内の状態
- 日当たりや眺望
- 間取りや収納
- 最寄り駅やバス停までの距離
- スーパーやコンビニなどの買い物環境
- 病院や学校、公園などの生活施設
- 周辺道路や駐車場の状況
こうした情報を十分に伝えることで、購入希望者が物件での生活をイメージしやすくなり、不動産の価値を感じてもらいやすくなります。
広告写真のクオリティも第一印象を左右する
購入希望者が最初に物件を知るきっかけは、実際の内覧ではなく、インターネット上の広告であることが多くなっています。
そのため、広告に掲載する写真のクオリティは非常に重要です。
部屋が暗く見える写真や、狭く感じる構図では、本来の魅力が伝わりません。 一方、明るさや広さが伝わる写真、整理された室内写真は、購入希望者からの問い合わせにつながりやすくなります。
写真だけでなく、掲載する情報量や文章の分かりやすさも重要です。 周辺施設や生活環境まで丁寧に紹介することで、他の物件との差別化につながります。
一般売却のメリットとデメリット
一般売却のメリット
一般売却の最大のメリットは、できるだけ高い価格で売却できる可能性があることです。
複数の購入希望者から問い合わせが入れば、価格交渉を有利に進められる場合もあります。
一般売却のデメリット
一般売却では、購入希望者が見つかるまで売却期間が確定しません。 条件によっては数か月以上かかることもあります。
また、居住中の物件では、内覧のたびに掃除や片付け、日程調整などが必要になるため、売主の負担が大きくなることがあります。
「多少時間がかかっても、できるだけ高い価格で売りたい」という場合には、一般売却が向いています。
少し安くなっても時間と手間を省きたい場合
売却価格よりもスピードや手間の少なさを重視する場合は、不動産会社による「買取」が選択肢になります。
買取とは、不動産会社が買主となって直接物件を購入する方法です。 一般の購入希望者を探す販売活動が必要ないため、条件が合えば短期間で売却できます。
買取の主なメリット
- 建物内部の確認が少ない回数で済みやすい
- 一般の購入希望者による何度もの内覧対応が不要
- 片付けが十分に終わっていない状態でも相談できる場合がある
- 雨漏りやシロアリなど建物の不具合があっても相談しやすい
- 広告活動を行わないため、周囲に知られにくい
- 査定から売却代金の受け取りまで比較的早く進められる
- 引き渡し時期を相談できる場合がある
- 不要な家具や家電を残した状態でも相談できる場合がある
相続した不動産や、早く資産整理を終えたい場合など、売却にかける時間と手間を減らしたい方に向いています。
買取のデメリット
買取の大きなデメリットは、一般の購入希望者へ売却する場合と比べて、売却価格が低くなる傾向があることです。
不動産会社は、購入後の修繕費や販売費用、再販売のリスクなどを考慮して買取価格を決めるため、一般売却の査定価格より低くなることがあります。
そのため、「少しでも高く売りたい」場合は一般売却、「多少価格が下がっても早く確実に手放したい」場合は買取というように、目的に応じて選ぶことが大切です。
大きな敷地は買取も選択肢になる
一戸建てが建っている大きな敷地や、分割して利用できるような土地の場合は、一般の購入希望者への売却だけでなく、不動産会社による買取も検討する価値があります。
一般の方が大きな土地をそのまま購入する場合、土地価格が高くなりやすいうえ、土地を持て余してしまうことがあります。そのため、一般的な住宅用地と比べて購入希望者が限られ、売却に時間がかかるケースがあります。
土地を分割して売却する場合の注意点
大きな敷地を複数の区画に分ければ、それぞれの価格を抑えられるため、購入できる人の幅が広がる可能性があります。
ただし、土地を反復継続して分割・販売する行為は、内容によって宅地建物取引業に該当する可能性があります。個人の判断だけで進めるのではなく、不動産会社などの専門家に相談しながら売却方法を検討することが重要です。
そのため、大きな敷地を早めに整理したい場合には、不動産会社に土地全体を買い取ってもらい、その後の分割や再販売を不動産会社側で行う方法も選択肢となります。
大きな敷地で買取を検討するメリット
- 一般の購入希望者が見つかりにくい土地でも売却を検討しやすい
- 土地を自分で分割して販売する手間を省ける
- 売却までの期間を短縮できる可能性がある
- 資産整理を早く進めやすい
大きな土地だからといって、必ずしも分割してから売る必要があるわけではありません。土地の立地や面積、需要などを踏まえ、一般売却と買取のどちらが適しているのか比較することが大切です。
所有者が複数いる不動産を売却する場合
相続などによって取得した不動産では、一つの土地や建物を複数人で共有しているケースがあります。
共有名義の不動産を売却する場合は、原則として共有者全員の合意が必要です。そのため、売却を検討する段階から、共有者同士で方針を確認しておくことが重要になります。
売却前に共有者全員の意思を確認する
共有不動産では、一人だけが「売りたい」と考えていても、不動産全体を自由に売却できるわけではありません。
売却価格や売却時期、売却方法などについて共有者間で意見が分かれると、手続きが長期化する可能性があります。
そのため、まずは次のような点について話し合っておくとよいでしょう。
- 不動産を売却するか、それとも保有するか
- 一般売却と買取のどちらを選択するか
- どの程度の価格であれば売却に合意できるか
- いつまでに売却したいのか
- 売却代金をどのように分けるのか
代表者を決めて手続きを進める方法もある
共有者が複数いる場合、全員が毎回同じ場所に集まって手続きを進めるのは大きな負担になります。
そこで、共有者の中から代表者を決め、必要に応じて委任状を用意して売却手続きを進める方法があります。
ただし、委任できる手続きの範囲や必要書類は状況によって異なります。共有不動産を売却するときは、不動産会社や司法書士などの専門家に確認しながら進めると安心です。
一般売却と買取はどちらを選ぶべき?
不動産の売却では、「一般売却と買取のどちらが優れているか」ではなく、自分の目的に合っている方法を選ぶことが重要です。
一般売却が向いているケース
- 多少時間がかかっても高く売りたい
- 立地や建物の条件が良く、需要が期待できる
- 内覧や販売活動に対応できる
- 売却を急いでいない
買取が向いているケース
- できるだけ早く不動産を現金化したい
- 内覧対応などの手間を減らしたい
- 相続した不動産を早く整理したい
- 建物が古い、または不具合がある
- 大きな敷地など一般の購入希望者が限られる物件を所有している
- 周囲に知られずに売却を進めたい
一般売却では実際にいくらで成約するのかが確定していないため、査定価格がそのまま売却価格になるとは限りません。
一方、買取では不動産会社から具体的な買取価格が提示されるため、一般売却の査定価格と買取価格の両方を確認してから判断する方法もあります。
価格だけでなく「手元に残る金額」で比較する
売却方法を選ぶときは、提示された価格だけを見るのではなく、仲介手数料や修繕・片付けに必要な費用、売却までにかかる維持費なども含めて比較することが大切です。
売却価格が高くても、売却まで長期間かかり、その間に固定資産税や管理費などの負担が続けば、最終的に手元へ残る金額との差が小さくなることもあります。
資産整理では不動産の状況に合った売却方法を選ぶことが大切
不要になった不動産を売却する方法は、一つではありません。
時間と手間をかけてもできるだけ高く売りたいのであれば、一般の購入希望者に向けて販売活動を行う一般売却が適しています。
一方、多少売却価格が低くなっても、短期間で売却したい場合や手続きをできるだけ簡単にしたい場合には、不動産会社による買取が選択肢になります。
また、大きな敷地や共有名義の不動産などは、一般的な住宅とは売却時の注意点が異なります。物件の特徴や所有状況を確認したうえで、適切な方法を検討することが重要です。
売却価格だけで判断するのではなく、売却に必要な期間や手間、諸費用まで含めて比較し、自分の目的に合った方法を選びましょう。
