一戸建ての新築なら浄化槽と下水どっちがお得?
一戸建ての新築なら浄化槽と下水どっちがお得?違いや注意点を徹底解説!
新築住宅を検討している方向けに、浄化槽と下水道の違い、費用面、設置時の注意点、土地選びに関するポイントをわかりやすく解説します。不動産購入の失敗を防ぐための知識を提供します。
浄化槽とは?
浄化槽とは、自宅の敷地内に設置して、家庭から出た汚水を微生物の力で浄化し、きれいな水にして水路などへ流すシステムです。自分の家に小さな水処理場を持つようなイメージです。
一般的な浄化槽には、単独浄化槽と合併浄化槽の2種類があります。単独浄化槽はトイレの汚水だけを処理し、合併浄化槽はトイレ、キッチン、お風呂、すべての生活排水を処理できるものです。
現在の法律では、環境負荷の大きい単独浄化槽は使用が制限され、合併浄化槽の設置が義務付けられています。その他に、特殊な浄化槽として浸透式浄化槽、燃焼式浄化槽、バイオトイレなどもあります。
どの浄化槽も定期的な点検や清掃が必須であり、設置時にはまとまった初期費用がかかるのが特徴です。
下水道とは?
下水道は地域全体で整備された公共のインフラで、家庭から出た汚水を公共の下水管へ流し、大規模な施設でまとめて処理されます。
設置にかかる初期費用は基本的に不要ですが、公共下水の引き込み桝が敷地内にない場合は費用が発生することがあります。主にかかる費用は以下の2つです。
- 受益者負担金(土地の広さに応じた負担金)
- 接続工事費(家の敷地内に下水道配管を引き込む工事費)
これらの費用は工事内容や時期によって変わるため、事前に確認しておくことが重要です。また、水道使用量に応じて「下水道使用料」が発生します。
個人で管理する必要がなく、維持管理の手間が少ないのが大きなメリットです。
浄化槽と下水道の費用比較
浄化槽の設置費用は80万円から140万円ほどかかり、年間3万〜5万円のメンテナンス費用も必要です。
一方、下水道は初期費用がかからないことが多く、月々の下水道使用料が年間3万〜5万円程度発生します。
初期費用の有無が大きな差となりますが、地域によっては下水設備が整っていないため浄化槽しか選択肢がない場合もあります。
下水道が整備されていないエリアは、例えば山間部や人口の少ない郊外の一部地域などが多く、整備には多額の費用がかかるため、住民が多く集まる都市部や主要な住宅地に優先的に整備されています。
浄化槽設置時の注意点(意外と知らない浄化槽の2つの検査)
浄化槽を設置する場合、次の3つの注意点があります。
- 匂いの問題:浄化槽から多少の匂いが発生することがあり、特に庭でバーベキューなどをする際に気になることがあります。
- 設置場所の問題:敷地内にマンホールが2〜3個設置され、玄関アプローチやカーポートの場所に被らないように計画が必要です。
- メンテナンスの問題:放置すると機能が低下するため、定期的な点検と清掃が必須です。
また、浄化槽には2種類の検査があります。
- 管理会社による保守点検:数か月に一度、ブロワーや水質検査などを行います。
- 都道府県指定機関による法廷検査:設置後すぐと毎年1回、第三者機関が検査を行います。大分県の場合、一般的な住宅の10人槽なら約5,000円程度です。
これらの検査は法律で義務付けられているため、無視できません。
土地選びの注意点とアドバイス
都市部など下水道が整備されたエリアは土地価格が高くなる傾向にありますが、郊外など浄化槽エリアは土地単価が抑えられていることが多いです。
そのため、浄化槽設置が必要でも、土地+建物費用のトータルで見ると費用を抑えられる場合もあります。
また、地方公共団体の公共下水普及率によって状況が異なるため、地域によって浄化槽や公共下水の考え方や利用状況も違います。
土地選びの際にはコストやインフラの違いを理解し、できれば専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
まとめ
新築一戸建ての家づくりでは、浄化槽と下水道の違いをしっかり理解することが成功のポイントです。初期費用や維持管理の手間、土地の状況などを踏まえた上で、納得のいく選択をしましょう。