
実家の敷地に家を建てるのは危険?
【実家の敷地に家を建てるのは危険?】分筆と分割の落とし穴|相続・ローンで後悔しない方法
これから親の土地に家を建てようとしている30〜40代の方に向けて、分筆と分割を間違えたことで起こる 住宅ローントラブルや相続時の兄弟トラブルを防ぐために、実例ベースでポイントを整理します。
この記事の目的
これから親の土地に家を建てようとしている30〜40代の方に向けて、分筆と分割を間違えたことで起こる
・住宅ローントラブル
・相続時の兄弟トラブル
を防ぐための考え方を、不動産実務の視点から解説します。
はじめに
「実家の敷地に家を建てたい」と考える方は少なくありません。
親が「裏の土地を使っていいよ」「横の空いているところに建てたらいいよ」と言ってくれる。
土地代がかからない分、建物にお金をかけられる。非常に魅力的です。
ただ、このときに分筆と分割を間違えると、ローンと相続で、家族関係まで壊れるケースがあります。
なぜ危険なのか、どうすれば防げるのかを、順番に整理します。
親の土地に家を建てること自体は問題ない
まず結論から言うと、親の土地に家を建てること自体は法律上可能です。
ただし、何も考えずに建てるのが危険です。
土地と建物の名義が違うのは、建築時やしばらくの間は問題にならないかもしれません。
しかし問題になりやすいのは、次の3つのタイミングです。
- 住宅ローン返済が滞ったとき
- 相続
- 売却
今は問題ないと思っている方がほとんどですが、将来問題が起こる可能性があることも知っておく必要があります。
だからこそ「今」ではなく「10年後」「20年後」を想定して進めることが大切です。
分筆と分割の違いを正しく理解する
ここで重要なのが分筆と分割です。
分筆は、一つの土地を確定測量を行い、境界杭を設置し、現地も登記上も2つに分けます。
法務局で土地を正式に2つに分けることです。
一方、分割は、登記上は土地1つのまま、設計上だけ線を引く方法です。
設計士が「ここに家を建てましょう」と線を引き、建築確認を通すための作業として行われます。
この違いを理解せずに進めると、後で取り返しがつかない事態になり得ます。
名前が似ているため勘違いしやすい点が、まさに落とし穴です。
住宅ローンを組む場合の最大の落とし穴
まず、住宅ローンを組むケースです。
ローンを組むと、金融機関は必ず抵当権を設定します。
分割のままだと土地は1つのままです。
つまり、自分たちの建物だけでなく、実家の土地と建物までまとめて担保になる可能性があります。
もし将来、ローンが払えなくなったらどうなるか。
最悪、実家ごと失うことになりかねません。
これは現実に起きている話です。
だからこそ、ローンを組むなら必ず分筆を検討する必要があります。
これは親の老後にも影響し、家を建てた子世代だけの問題ではありません。
兄弟がいる場合の相続トラブル
次に多いのが、兄弟がいて相続で問題になるケースです。
実家の敷地内に家を建て、何年か経って親が亡くなった。
土地を分筆して所有権を分けていなければ、その土地は相続財産になります。
実家の土地に家を建てて長い間住んでいる本人としては、家がある土地は自分のものだと思っているかもしれません。
しかし実態は親の土地なので、兄弟共有の相続対象となる財産です。
兄弟仲が良ければ問題になりにくい一方で、
「土地の価値が高いから売りたい」という兄弟や、
「売らないなら土地の分のお金を払ってほしい」という兄弟が出てくることもあります。
実際に「売りたいから出ていってほしい」と言われたケースもあります。
自分で家を建てたのに、出ていかなければならない。
これを防ぐには、事前に分筆しておき、贈与や遺言で譲り受けられるようにしておく必要があります。
売却時のトラブル
将来、売却が必要になったときにトラブルになることもよくあります。
離婚などによる家族構成の変化、突然のリストラや健康上の理由などにより住宅ローンの返済が厳しくなる――。
さまざまな事情でお金が必要となり、家を売って資金を作りたい場面が起こり得ます。
将来、今は予期しない理由により家を売却することになるかもしれません。
その時にトラブルにならないように、事前に設計・権利関係を整えておきましょう。
もし売却することになった場合、それぞれ単独で売却できる設計になっているかに注意が必要です。
売却時に注意したいポイント
-
・親の住宅との距離が近すぎる
親子で住んでいる場合には行き来もしやすく便利ですが、他人が住むには「この距離感は近すぎる」とならないよう、適切な距離や配置 になっているか。 - ・駐車場・建物への進入路を共有していて分割することができない
- ・ライフライン(給排水・ガス設備)が越境している・共有している
- ・接道要件を満たしていない
分筆の費用・注意点・結論
分筆には費用がかかりますが、惜しむのはやめましょう。
目安として30万〜50万円程度。
測量、境界確認、登記手続きが含まれ、決して安くはありません。
ただ、将来起こるかもしれない相続トラブルや売却トラブルを考えると、必要な保険だと思ってください。
また、建物を建てる際に分筆しておらず、建築後に分筆するときに注意しないといけないこともあります。
建築後に分筆する場合に注意すべきこと
- ライフライン(給排水・ガス設備)が越境している・共有している
- 接道要件を満たしていない(道路に2m以上接していない)
- 面積と用途制限(建蔽率・容積率を満たしているか)
確認すべきことはたくさんあります。
今だけでなく将来のもしもの時にも大丈夫か、建てる前に必ず建築会社・不動産会社へしっかり相談してください。
最初の相談が一番大事で、そこが全てと言っても過言ではありません。
まとめ
今回は「実家の敷地に家を建てるのは危険?分筆と分割の落とし穴」について整理しました。
親が良かれと思って用意してくれた土地で、家族関係が壊れる。
そんなことにならないよう、建てる前に必ず正しい選択をしてください。
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